日川で高校演劇から演劇をはじめて、懲りずにやり続けて今があります。私の演劇観は山梨でつくられました。

2005年4月より座員の高齢化により休止していた公演活動を新メンバーにより再開しました。2013年に笹子に古くから伝わる演目「吉窪美人鏡」の復活事業を保存会員と共に行い、国民文化祭で復活上演を行いました。現在30名の保存会員と共に県、内外での公演会、後継者の育成などの活動を行っています。今後の伝統芸能が継承されていくために必要なことは、地域で継承されてきた歴史を、「今後も自分達で継承させていこう」という、コミュニティ意識を地域で共有、認識する仕組みを作ることだと思います。YCLにはそんな活動を支援する窓口となってほしいです。

山梨県が今までなかなか直接的な繋がりが無かった企業や団体、また県内クリエイターの橋渡し役をして頂くことにより、ジャンルや年代を超えた繋がりが生まれ、新たな芸術イベントや文化の継承、発展を促進し、その文化活動で県内の人々に楽しさや感動を与え、心を豊かにする機会、また相乗効果にて県内の経済活動にもプラスな影響をもたらす事を期待致します。またその為には、これを機に県と長年直接的にクリエイターと付き合いをしてきた企業や団体との疎通を高め、常に情報交換していく事も不可欠と考えます。

2015年に『やまなし大使』に就任させていただき、その後は県と連携し様々な活動を行なっております。これまで山梨県は、『文化不毛の地』と呼ばれ文化芸術の理解、発展が難しい地域だと私自身感じておりました。山梨県には芸術文化協会という組織もあり各部門が発表会や展示など様々な企画を行なっており、私も現在、民謡民舞部門の部門長として協会に所属しております。その為、県の職員の方々とお話しさせていただく機会も多く企画の提案やアドバイスをいただくことも多々あります。そんなこともあり私は沢山の事業に携わらせていただいております。きっと、これを読んでくださっている方の中にも『こんな企画をやってみたい』『あのイベントに出演したい』など考えている方は多いことでしょう。YCLは、簡単にいうと皆様の思いを“カタチ”にするためのサービスです。 わからないことがあれば相談して、面白い企画があったら提案して実現させましょう！他県のアーティスト達が羨むような山梨県になることを期待しています。スマホの普及、SNSの進化により、情報発信や共有は容易な時代になりました。しかし、“バズる”のは一握り。ビジネスに結びつけるのは非常に困難です。YCLの活用により、皆様の活動が豊かになるようお祈り申し上げます。

史跡梅之木遺跡公園では、「みんなでつくる縄文ムラ」をキャッチフレーズに、ボランティアさんたちが竪穴住居を復元し、縄文ムラを再現しています。縄文時代って、多くの人には縁がない遠い過去ですね。でも、いくつもの気候変動を乗り越え、生き抜いてきた縄文時代人の知恵と文化は、私たちの発想を変え、未来を見とおすヒントを秘めています。うまく活用すれば観光資源にもなります。「縄文」は、考古学ファンのためだけの骨董品ではありません。「縄文」を公共財＝「みんなの文化財」とし、未来のために「縄文力」を育むのには、幅広い人の輪＝リンクが必要です。そのためのプラットフォームとしてYCLの活躍と発展をおおいに期待しています。

『街に日常にアートが息づく』

2005年 山梨でまだ珍しかったArtist In Residence（AIR）を始めてもうすぐ20年

ここ山梨に焦点を当てる意味でYamanashiの頭文字をつけてArtist In Residence Yamanashi [AIRY] 通称エアリーとした。

見知らぬ街へやってくる世界のアーティストたちと地元の人々との出会い。ある時は共に制作し、ある時はサポーターとして濃い時間を共にする仲間たちの存在がある。受け皿としての施設運営の苦労を厭わず、国や言葉を越えた相互交流の実験場として活動を続けてきた。成熟した街に必要な文化施設として、生活の中で身近にアートに触れる場所として、生き生きとしたアートシーンを山梨で作りたい。そして活動に迷った時に頼れるYCLと相談できる仲間がいてほしいと思う。

山梨に在住して30年程経ちます。芸術家との関わりや、歴史、神社仏閣古代遺跡に興味を持ち、また自然風景やワイン、フルーツに接して、山梨を楽しんで過ごしてまいりました。首都圏に近い地方の優位性に立ち、クリエイターの豊かな発信基地となるような企画やメディアとの連携、理解と協力等の力添えがあるといいなと思います。